『夜行観覧車』 沢山のイライラと少しの安堵
湊かなえ著の小説。
父親が被害者、母親が加害者。
理想の家庭のような高橋家で起こった殺人事件。
残された高橋家の子供達と、高橋家の向かいに住む遠藤家、そして近所に住むおせっかいおばさん小島のそれぞれ気持ちや思惑が絡まりながら、事件の真相が明らかになる。
自分がなぜこの本を読もうと思ったか
本屋で何か読もうとぶらぶらしてた時に見つけた。
湊かなえさんの「告白」が面白かったので、別の作品も読んでみたくなり購入。
あと、陰鬱な感じの話が読みたいとも思っていたので。
以下、ネタバレ。
自分がこの本で感じたこと
読んでる時間の50%ぐらいイライラしてた。
イライラしながら読み進めた。
イライラしたけど、嫌いになれない。
そんな本だった。
ミステリっぽい紹介もされるこの本だけど、その印象はあまり感じなかった。
家族といえども本当の気持ちがわからずすれ違う心の話、という印象だった。
そのためか、殺人事件が起こった高橋家の家族の話よりも、平凡(に見える)遠藤家のことが印象に残った。
父母娘の三人家族。
高橋家みたいに殺人事件など起こっていない、特別なことはない家庭。
けれど、家族三人の気持ちはぐちゃぐちゃな家庭。
互いの気持ちがわからず、わかろうともしない家庭。
そのもどかしさにイライラしながら読んでいた。
なので、後半真弓が爆発して、さと子が2人にすっぱりと言葉をぶつける場面が一番スカッとしたし、一番よかったシーンだと思っている。
自分の気持ちをきちんと伝えること。
伝えられたら受け止めること。
難しいけど大事なことだと思った。
最後、なんとなくだけどわかり合った三人を見て、安堵した。
イライラする話だったけど、嫌いになれないのはこれが理由なのかもしれない。
個人的イライラ人物ランキング
3位 遠藤家のヘタレおやじ啓介
最後で挽回できている感を醸し出しているが、妻と娘のバトルを前に逃亡しているので、プラマイでいうとマイナスである。
いい人ぶっている分、腹がたつ。
2位 クソガキ彩花
同情できんことはないが、態度が悪すぎる。
イライラ時間の約8割は彼女によるものだった。
1位 目に見える地雷女、明里
真のクソ女
少ないページ数に濃縮された不快感。
まとめ
イライラしたいときにオススメの本!