”自分の”読書感想文

既婚子持ちのIT系OLの本の感想ブログ。自分が感じたことを正直に書く、自分にしか書けない自分の読書感想文。

『イニシエーション・ラブ』 わたしもマユに魅了されてしまったのかもしれない

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

内容
甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説ーーと思いきや、さいごから二行目(絶対先に読まないで!)で本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
(文庫裏表紙の説明より)
 
もっと具体的な内容は、昭和80年代を舞台に描かれる青春恋愛物語。
ぼく、こと鈴木くんと、ヒロイン・マユが合コンで出会い、ドキドキしたり、すれ違ったり…。
と、思いきや文庫裏の説明通り、衝撃の結末を迎えるというミステリー要素ありな小説。
 
自分がなぜこの本を読もうと思ったか
まんまと帯にやられました。ええ。
最後の2行目が気になって読んでみよっかな、となりましたよ。ええ。
 
以下ネタバレ。
 
 
自分がこの本で感じたこと
 
ははぁ〜〜 へぇ〜 あー なるほど ははぁ〜
二回目読むか〜〜〜〜〜
 
読んだ直後はこんな感じでした。
 
このお話は、二部構成になっている。
前半は主人公鈴木くんが学生の時にマユと出会って、いい感じになって、クリスマスに一緒にディナーを行いハッピーエンド^ ^ やったね!
後半は主人公鈴木くんが社会人となりマユと遠距離恋愛を始め、すれちがって、他の女に惹かれてって最後に分かれる話。
で、最後の2行で明かされるのは、前半後半の鈴木くんは同一人物ではないということ。
つまりは、マユは同時進行で二人の男と付き合っていることが分かる、という話。
 
 
読んだ直後は、マユちゃんは、元彼の後半の鈴木くんこと辰也くんのことをずっと引きずってて、今彼の前半の夕樹くんを「たっくん」と呼んだり、同じ財布をプレゼントしたりしてなんて未練がましい子なんだ、ヤンデレ怖いと思った
違った。同時期だった。
ヤンデレじゃない、狡猾な、依存体質の女だ。怖い。
 
 
読み終わった後は、マユのことばかり考えてた。
マユは2人のことを騙そうとしてた狡猾な女だったのか。
マユは辰也のことを愛していのか、夕樹のことは遊びだったのか。
 
私はマユは辰也のことも愛して、夕樹のことも好きなのも本当。
けどバレないような小狡い工作を自然体にやっている女、そう思った。
 
マユは恐ろしくもどこにでもいるような普通の女だと思った。
 
 
最後の仕掛け以外に面白かったと思ったことは、前半の彼女はものすごく地雷女感が隠しきれてないところ。
出会ってすぐの男性に車の免許取れ、オシャレしろとか宣い、意味深な指輪やタバコなど、ひっかかる箇所が多数あった。
前半はマユの異常さを作者としては隠したいところだと思うのに、あえてガバガバに出しているところが面白かったし、最後ののオチにも納得感もあった。
 
ぜってぇーーー!処女じゃねーーーーだろ!!!!
と、夕樹くんとのセックスのシーンで思ってました。
 
 
叙述トリックについて
夕樹≠辰也という、叙述トリック
この本を読んだ後、とある古いミステリ小説を読んだが、そこでも似たような感じで叙述トリックが使われていた。
イニシエーション・ラブは、叙述トリックをミステリ小説ではなく、恋愛小説で使ったため、世に衝撃を与えたのかもと思いました。
 
 
まとめ
正直、最後の仕掛け以外はそこまでなお話だったけど、マユのそのあたりにいそうな恐ろしい女の描写にはぐっときた。
私もマユに魅了されてしまったのかもしれない。
絶対関わりにあいたくない女だけど。